鈴が咲く【前編】




光輝side

「わが名は紅竜。
悪しきものを清めるものなり」

巫女服を身にまとっている二人。


いつ着替えたのかもわからないんだけど…
これも、術の一つ…?


目の前には、ついこの間まで
存在も知らなかった陰陽師がいた。



髪をおろして敵を見据える咲希ちゃんは、
人が変わったようだった。



翔が敵に向かって走っていく。
どこからか剣を取り出して切りつけた。






何かを唱えている咲希ちゃん。

目の前で起こっているはずなのに、
どこか、遠くで起こっている様に感じる。






まぶしい光が目の前に広がる。

思わず目をつぶった。




目を開けると、隣り合って立つ二人と、
何かを言っている妖がいた。














「「「な!?」」」

思わず声を上げた。

黒い霧が集まって、
妖みたいな形になった。






二人で何かを話してる...



翔が黒い方に走っていく。



咲希ちゃんは...
!?...笑ってる?


妖に話しかけられて
顔から表情が消えた。