鈴が咲く【前編】




二人で少し斜めに立つ。

小さい声で翔に指示を出す。

「蒼竜。そっちは邪式を。
妖はこっちでやる」

「紅竜だけでいいのか?」


おいおい...

「私を誰だと思ってる?」

「フッ...
わーったよ、

聖林当主、紅竜様!」

そう言って邪式につっこんでいく。



何もそこまで...

一瞬笑みがこぼれた。




もっといえば……
今は紅竜だけど、
これは紅竜の相手としては弱すぎる



……少し遊んであげるか


『オマエ...
チヲ...
チカラ..ヲ...』

妖の声。

......

「何を。
下劣な妖に誰が血など与えるものか」

『ナンダ..ト...』

「事実を述べたまで」

片足を引いて横に構える。



妖からの攻撃が飛んでくる
二発の攻撃をそのままの体勢で避けた。

『ナ!?』

無言で気を集中する。



無数の杭が飛んできた

「~~~~~~」

後ろから光輝君達の声が
結界の中で反響してるのが
うっすらと聞こえた。