鈴が咲く【前編】


「我が陰陽師に使えるものよ、
我が力に乗じ、悪しきものを罰する力を!
雷竜砲!!」
ライリュウホウ

言葉と同時に雷のような攻撃が
妖に向かって堕ちた。

ギリギリ、翔は
後ろに飛んで攻撃を回避する。


『グワァッ...クッ..』

少し身悶えたけど
すぐに体勢を立て直した妖。

『オマエラ...
ジャマダ...
ケシサッテヤル...』

腕を振った妖から、
邪気からできた邪式が出来る。

「っ...
そんな上級なのか...」

小さい声で呟いた翔。


邪式は、妖の邪気から出来る、
陰陽師で言う式の様な物。

本体よりは劣るものの、手ごわい相手。


そもそも作ることができる妖が少ないから、
この妖がいかに上級かがわかる。