鈴が咲く【前編】






「そうなんやぁ~」




「なんか雰囲気も違ったしな」

龍也君が口をはさむ。





「あ、違った?

なんかね~
変わっちゃう時があるんだよね...

妖とのやり取りに集中してるし、
私はあっちも普通に感じてるんだけど...」

そうやって誤魔化す。







「実際、
俺も妖を咲と調伏しようとしてる時は
あの咲の方がやりやすいかな...

相手は輪廻を外れた
強欲、貪欲な自分の望みだけを考え、
人を苦しめる外道。
あれぐらい、普通だろ。

それに妖退治、妖潰しの双竜として
やってるからな...
聖林の当主としても姫としても、
双竜、紅竜としても、あれの方がいいよ。」

「まぁね~」








「まぁでも、
咲は二重人格っぽいとこあるよな~」

「え~そうかな...
全く自覚ないんだけど」






「いや、二重じゃなくて
三重かもな...

お前、俺と誠にぃを
怒ってる時、マジでこええよ。
いつもどうり、って顔しながら
霊力潰しでドーンだぞ。
前には、霊食獣呼ばれたことあったし」
レイショクジュウ






「あ~
霊食獣。
あった、あったね~
先代の忠告を一つも耳に入れずに
人の話を無視し、
挙句一族会議で喧嘩始めそうになった
あれでしょ?」