鈴が咲く【前編】






バンッ!!

「さ、きちゃっん...
ハァ...
翔、は...?ッハァ...」

「遠山君...
みんな...」

私が特別寮のホスピタルルームに
着いてから、少し。

みんなが息を切らして
扉の前に立っていた。



______カチ



「ごめん...
おいてきちゃって...
...まだ、起きないよ。」


「そっ、か...
ッハァ....」

部屋に入ってきた三人がソファに座る

「翔太、起きるよな?」





「ん...
だい、じょうぶ...
私が引き受ける...」


「は...?」

わけのわからない、って顔をした龍也君。



ベットに寝たまま
不規則な呼吸を繰り返して
大量の汗をかいている翔を見る。




「ちょっと、待ってて...
きっと、すぐに起きるから...
起きたら、きっと説明するから。」

「...わかった」

少し考えた龍也君は
そう言って少し離れた。






みんなの視線を感じながら
ベットの横に座り込む。

「守護竜よ。
己の力を使い、
こやつにうごめく邪なる力を取り除け。
我を身代わりとし、御身を清めよう。
竜法 光律令!!」

翔の胸に
印を組んだ片手をおいて、術を唱えた