鈴が咲く【前編】




「オレハ...モットツヨク...
...オマエヨリ、オレハツヨイ...
オマエノチヲ...
オレニヨコセ、ヨコセ、ヨコセ」

効いてない、のか!?
呟いている言葉を聞いてはっとする。

コイツ...相当のやつだ...

斎藤の闇を食いつくたから、
形をもったと思っていたのに...

この妖力...
ここらに居る雑魚なんかと、
比べ物にならない...!!




『素早さは良い。』

『一つ一つの攻撃が軽い感じ。
当たってもそんなにダメージないかも』


咲の声が耳の奥で聞こえた気がした


















どうする...
このレベルの力ってことは
きっとどこからも出られないし
式を誰かに送ることも不可能だ...

後ろのやつらだけでも
何とか逃がせれば...

たくさんの短刀が飛んでくる。

「くっ...」

避けるのに精いっぱいで、攻撃できない...!!

だんだん攻撃が強くなっていく




バシュッ

「いっ....」

腕をかすめた。

腕から血が出る。

シュゥゥ...

「っ!?」

傷口を抑えた
手の隙間を通って、
妖の方へと
血が浮かんだまま流れていく。


いってぇ...

どんなことをしても血を手に入れる、
ってことかよ...




傷口から入りこんだ
妖気と邪気で、目がかすんできた。


足元がふらつく...
やべ...

意識が飛びそうになるのを
必死でこらえる