「オレハ...モットツヨク...
...オマエヨリ、オレハツヨイ...
オマエノチヲ...
オレニヨコセ、ヨコセ、ヨコセ」
効いてない、のか!?
呟いている言葉を聞いてはっとする。
コイツ...相当のやつだ...
斎藤の闇を食いつくたから、
形をもったと思っていたのに...
この妖力...
ここらに居る雑魚なんかと、
比べ物にならない...!!
『素早さは良い。』
『一つ一つの攻撃が軽い感じ。
当たってもそんなにダメージないかも』
咲の声が耳の奥で聞こえた気がした
どうする...
このレベルの力ってことは
きっとどこからも出られないし
式を誰かに送ることも不可能だ...
後ろのやつらだけでも
何とか逃がせれば...
たくさんの短刀が飛んでくる。
「くっ...」
避けるのに精いっぱいで、攻撃できない...!!
だんだん攻撃が強くなっていく
バシュッ
「いっ....」
腕をかすめた。
腕から血が出る。
シュゥゥ...
「っ!?」
傷口を抑えた
手の隙間を通って、
妖の方へと
血が浮かんだまま流れていく。
いってぇ...
どんなことをしても血を手に入れる、
ってことかよ...
傷口から入りこんだ
妖気と邪気で、目がかすんできた。
足元がふらつく...
やべ...
意識が飛びそうになるのを
必死でこらえる

