鈴が咲く【前編】

翔太side

ガララッ

「「斎藤圭吾!!!」」

小屋の中で一番大きな部屋へ続く
ドアを開けて、
光輝と康平が怒鳴った。





「「「「あぁ!?」」」」






中に居た奴らが振り向いてすごんでくる。





「んだてめぇ!」

「何
勝手に入ってきてんじゃコラァ!!」





「「うっせーんだよ」」

きれいにそろった声で
毒を吐く二人。

あいっかわらず、
こういうときのこの二人は
双子みたいにぴったりだ。







「えーから斎藤出せや。
お前らみたいな雑魚に用ないし」

「それとも潰されたいわけ~?」

殺気丸出しでにらむ康平に、
超黒い満面の笑みで聞く光輝。

この私立校に入学した中等部の時からの
4人。
全員運動神経いいし
喧嘩も人より多くはしてた。

まぁ男子校だしな

おかげで4人とも普通のやつよりは
強くなった。

その中でもこの二人は喧嘩っ早い特攻隊だ









うん..
もうこの二人だけで良いんじゃね...?



昔からのケンカ最強コンビ。

ここまで本気で怒ってんの、一体いつ振りだろう...?


「「で?
斎藤圭吾は??」」

「「「「っ....」」」」


「へぇ~
何、攻めてきたの?」

バカにするような、
感情のこもっていない冷たい声。




「あ、もしかして
君らのお姫様の事?

守れないんだもんね~
無能で、役立たずだし」

今まで気づいていなかった、
奥から声が聞こえた。

「「斎藤...」」