「「「うっ...」」」

みんなは、燈兜の力で
動けなくなっていた。


なんで避けてって言ったのに……

ほんとに平和な世界にいたんだね。君ら。




フッ...



と笑った燈兜は、
私に近づいてくる。

『お前。
なぜ、わかったのダ?』

攻撃を予測したことを
聞いているのかな?


当たり前でしょ。

腕を突き出した時点で
緊急回避行動の準備をするに決まってる。


一瞬腕が動いたしね。






頭をフル回転させながら、
目の前の燈兜を見据える。








『力はそれほどデハ...』

ブツブツとつぶやいている。

私は、いつもは霊力を
表に出さないようにしている。



その方が、
相手も油断するし、いろいろ探りやすい。









燈兜が私に術をかけなかったのも、
きっと、霊力を感じないから。

なら、そこまでの相手ってこと?

気づかない程度なら、私でもやれる……か?




『お前。
気にイッた。私と共二来い。』




ただの人間だと思ってる…?

そんなにも単純な相手?






「どうして?」

何も知らない風に聞く。



『気にいっタカだ。』

「あなたは?」

『私ハ、燈兜だ。』



そう言って手を伸ばして来る。





私も、手を伸ばして
その手を取ろうとする...と見せかけて、
素早く術をとなえる。

『ウッ!?』


身動きが取れなくなる燈兜。