鈴が咲く【前編】

「え...
だってさ、ひとりだよ?
さびしいじゃん!
九尾達はかわいいし...
一緒に遊んでくれるし...」

ずっと隠さずに使ってきたけどね。
ほんとに私に興味なかったんだ?
気づかなかった?
少し興味を持てば使ってることには気づいたと思うけど。




「そう言うことじゃなくて...
何であれほどの物を...」


「何で言ってくんねぇの!?
俺聞いてねぇぞ!?」

「そうだぞ!」



「みんなに話すことないかな、
って思ったし…
そんなに関わったりしてなかったじゃん!」


君らが少しでも周りを見てれば、
君らの目の前で使わなかったとしても気づいたと思うよ。




みんな無言になる。






そういえば、
と口を開いた亮ちゃん。


「咲。
お前、この数年で
霊力が格段に上がったんじゃないか?」


「...確かに。
何年か前に受けた
咲のとは、比べ物にならないぐらい強かったな...」



「俺もそう思った。
自分ではレベル上がってると思ってたけど...
防ぐので精いっぱいだった...」



お、落ち込んでる...

落ち込んでるみんなを前に苦笑いした。




この数年会わなかったとしても、
聖林の当主と同時に御老主の駒として
さんざんこき使われてきて。

それでもずっと稽古を怠らずにいた私が
あんたら三人と同じなわけがないよね?