校舎を出て、寮に向かって歩き出す。


「あ、翔。
私ちょっと寄りたい所あるから。
先に帰ってて?」

「え?
俺も行こうか?」

「ううん。
大丈夫。
なんかあったら連絡するし。」





翔は訝しげに眉を寄せてから

「...そうか?
んじゃ、先帰ってんな?」

そういって首を傾げた。




「うん。後でね。」

「じゃーなー」





翔を見送って道をそれる。




建物と建物の間を通って
校舎裏みたいな場所まで出る。




_____カチリ





ここなら...
誰もいないね



まぁ誰かさんはやっぱり
帰ってはいないだろうけど。

それを狙って挙動不審にしてたんだから
いてもらわないと困るけどね。




誰もいないことを確認した瞬間___

力が抜けてその場に座り込む。
...ふりをする。