鈴が咲く【前編】

「あ~...」



何か、言いにくそうに言葉を濁す翔。

「なに?」

「こんなときに申し訳ないんだけど...
ちょっと......」




翔は、小さい頃から、
私には頼れって言うのに、
自分は、抑えて頑張っちゃうんだ。





「...いいよ。
無理なんでしょ?」

「っ!
...やっぱ咲にはかなわねぇや。」

そう言って、
今日初めての笑顔を見せてくれた。






「...最近、奴らから動いてねぇだろ?」

笑顔から一転、
真面目な顔をして話し始める。









「アノ事」と知って、すぐに気を張る。