龍也side

時間が来て、

ホスピタルルームに行くと、
咲希が起きていた。

背を向けていたけど、
どこか孤独で寂しそうで、
気が付いたら、声をかけてた。



最近は女嫌いでも
咲希は大丈夫になってたんだ。










いつも声に出すときは、
「香林」と呼んでいるのに、
とっさに呼んだのは、「咲希」だった。


普通に元気で、
少し違和感があるような気が
しなくもなかった。




何があったかなんて、
知らないけど

この小さな体で、何か、大きなものを
抱えているんだろうと思った。

     龍也side end