「全身打撲。
右半身には擦り傷。
左足首に軽めの捻挫...」


怪我に詳しい龍也が、
咲の処置をしながら
声を上げる。


聞いているだけで、
ひどい怪我だとわかる。


いたるところに青あざが見えるし、
血をふき取って、しっかりと消毒すると、
擦りむいた皮膚が見える。


一番ひどかったのは、左腕。


「「「っ...」」」


龍也以外の三人が絶句した。

痛々しい。

そんな言葉が合う感じだった。
咲の腕は、真っ青に手形が付いていて、

はれ上がっていた。

思わず、手を握り締める。
怒りがわきあがってくる。
他の奴らもそんな感じだった。


「...よし。
これで大体の処置は終わった。
ひとまず今日一日は、
すくなくともだれか一人は
この部屋にいて様子を見よう。」


「「「わかった。」」」

「怪我だけだとはいえ、
気を失ってるからな。」

「俺も同感だ。
今三時半だから...
六時までは居れる人がいて、
六時から、
康平、光輝、俺、龍也
でいいか？」