鈴が咲く【前編】

「咲希ちゃん一人に対して、
男三人だったってことか」

「翔太が一発蹴っただけで
済ませられへんわ!」


そう言って
怒りを抑えられない様子の二人。


「...俺らのせいか。」


龍也がそう言って、
空気が凍った。


「どういうことや?」


「...斎藤が
逆恨みしているのは俺らだ。
コイツじゃない。
『俺らが護衛している』コイツを、
狙ったんだろ。」


そう言って、悔しそうに
唇をかんだ龍也。


「...もう、咲が狙われないように、
俺らで、かたをつけよう。」


「「あぁ」」「おう」