鈴が咲く【前編】

「チッ...」

んだよ...

女一人に対して男三人って...



後ろで崩れ落ちた咲を抱きかかえる。

意識がない。


ぎろっと奴らをにらむ。



斎藤 圭吾
サイトウ ケイゴ



俺らのことを逆恨みしている男だった。



咲を抱きかかえたまま、蹴りを入れる。
みぞ内に入って動けなくなったらしい、

斎藤を横目に、取り巻きの二人を見る。





顔をひきつらせた二人は、
我先に走って行った。

「覚悟してろよ...」

そう斎藤に言い残して、
咲を抱きあげたまま、歩きだす。






早く手当てしてやんねーと...