「はぁー。次、英語じゃん。だっる」
トイレなんて言ってもどうせその前で喋るだけ。
どうせなら、寒いから陽の射す窓際がいいのに。
本当の気持ちを隠して、栞にあわせる。
「そーだね。まぢありえない」
なんだか自分が操り人形みたいで。
本来のわたしはもっと静かなはずなのに、なんで派手な栞なんかと一緒にいるんだろう。
栞はストレートパーマをあてたロングヘアをブラシで満足そうにとかしている。
確かに栞は可愛いけど。
けれど。
「ねえ、芹澤。あんたそこ邪魔、鏡見えない」
「ご、ごめんなさい」
ちょっとばかりお嬢様がすぎると思う。