愛とか恋とか嫁だとか。

「好意じゃなくていいんですよ、なんつーか。『あいつ、なにしやがんだ』みたいな」


……確かに。


この間、青山に言われるまで正直ゆう君のことなんて、思い出しもしなかった……。


「よく、少女漫画であるじゃないですか、最初印象最悪の奴がいつの間にか気になって仕方ない、っての」


「……なんで篠塚君が少女漫画に精通してんのよ」


「俺は泣く子も黙る末っ子長男です。

姉達に可愛がられていじられて育ち、こんな感じの仕上がりです」


……妙に納得。

人懐っこさも、その空気感も。


……にしても、近い。


手を繋いでる時点で、とんでもないわけだけど。


……そんなに、嫌じゃないのは何故?