愛とか恋とか嫁だとか。

自己申告してきただけでも大したもんだ、なんて思えない。


子どもは汚すのが仕事なのよ、なんて悠長に構えられない。


お気に入りのラグマットだったのに、


悩んで買って高かったのに、


しかもど真ん中にオレンジ……!!!!


「どうして、ダメなことばっかりするの!」


怒鳴るような声に、咲子の身体がびく、っと震え、今にも泣き出しそうになる。


「……泣きたいのは、あたしよ……」


小声で呟きながら、タオルをキッチンから持ってくる。


ドンドンドン ドンドンドン


叩き出して、少しでも汚れを浮かそうと必死になると、その音にまた咲子が、身体を強張らせる。