愛とか恋とか嫁だとか。

テンパるあたしに指示を出すと、斉野君が駆け出していく。


あたしも、公園の中に引き返す。


お願い、咲子、無事でいて。


ママがいけなかった。


本当にごめんなさい。


どこかで痛い思いをしていたらどうしよう。


どこかで怖くて泣いていたらどうしよう。



今、この手で咲子に触れられない事実が恐ろしくて、その場に倒れこみそうになる。


良くない想像ばかりが膨らんで、心臓が痛くなる。


もつれる足を動かして、どうにか公園内を探し回る。



カサカサカサ


目の前の茂みから、乾いた音……


「あれ、ママ」


……手に、沢山の葉っぱを持った咲子。


「……さ、きちゃ…………」


駆け寄り、抱き上げ、強く抱く。