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「……いやー、ほんっと、信じられない……」
「……さーせん……」
あたしと篠塚君は、夕食を終えてアーケード街を歩いていた。
夕食は…………
″日ノ出食堂″にて、鯵フライ定食だった。
因みに、篠塚君は、レバニラ炒め定食(ご飯大盛)。
隣の篠塚君は、スラッとした長身を思いっきり曲げてしょんぼりしている。
その姿を見ると、とても責める気にはなれなくて。
……そう。
篠塚君が予約したのは、今日ではなく、ちょうど1ヶ月後。
日付が同じだったので、勘違いしたらしく。
「楽しみが、1ヶ月延びたと思えばいいんじゃない?」
その、しょんぼり具合が半端なく、つい励ましてしまう。
ソフトクリームを落とした子どもみたいなんだもの。

