愛とか恋とか嫁だとか。

「お待たせ、はいこれ」


……中身を確認すれば、そこでもう終わってしまう。


いや、当然なんだけど。


それで、いいんだけど。


「おー、お世話様でしたー……あのさ」


青山が、中身の確認をする前に話し出す。


ん?と、聞く態勢を作るあたし。


「あいつの事なんだけどさ」


あいつ、とは勿論、日南子の事を指しているんだろう……にしては、トーンが暗い。


「日南子がどうかしたの?」


「……いや、んーーーー……なんて言うか」


言いにくそう。


青山のふざけていない姿って、珍しい。


「……高校の頃ってさ。どんなだった?」


「…………は?」


何を言っているんだろう。


30歳にもなった、結婚5年も経った男が、今更妻の高校時代を知ってどうするつもり?