大好きな人。


でも、偽物な恋。


本当の愛は、どこにあるの?



「おはようございます。お嬢様。」


いつものように、結羽が私を起こしに来た。


「朝から、ムカつく笑顔ね。」


「は?」


「何?聞こえてなかったの?耳が悪いのね。お医者さん呼びましょうか?」


ったく、こっちはイライラが止まらないってのに。


「ご冗談を。「冗談だなんて一言も言ってないわよ?」・・・・・・・・・・・・」


「・・・お嬢様。本日は、ご機嫌が優れないようで。安定剤でも、お持ちしましょうか?落ち着きますよ?」


「いらないわ。今日は不思議なほど、落ち着いているの。」


「・・・・」 「・・・・」


「では、お着替えをおいておきましたので、どうぞ。朝食の準備をして参ります。」


「・・・いい。食欲はないの。」


「え?ですが、お食べにならないと、お薬が・・・」

「いいって言ってるの!このまま学校へ行くわ。車を出して。」


「・・・・お嬢様、なりません。」


「は?どういうこと?」


「お薬は、毎日飲むようにと、先生からもきつく言われています。」


「・・・電車で行くわ。」


「お嬢様!!!」


バンッ!わたしは、思い切りドアを閉めた。


そして、学校へ着くと、真っ先に保健室で寝た。こっちの先生も知ってるから、何も言わず寝かしてくれる。


結羽が悪いのよ。


結羽がちょっと、頭が硬いから。
むしろ、悪いから。


だから、ああやって簡単に自分捨てられる。馬鹿な人。


「桜さん?お家に連絡して、今から来るみたいだけど、早退する?」


は!?


「お家にって、今から、えっ!いや、いいです。寝てれば大丈夫です!!!」


「え?車ですぐに駆けつけますって言ってたわよ?」


終わった・・・・


「今日、お薬飲まなかったんですって?心配してたわ。」


心配・・・・??


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


ん?


「お嬢様!!!!!!」 スパーん。


ドアより先に言葉を発した!


「ご無事でいらっしゃいますか?!」


「勝手に殺すな。生きてる。普通に。」


「・・・・え?普通に??」


「うん。」


「・・・・ですが、倒れたのでは??」


なんの話だ。


「いや、普通に保健室で寝た。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「・・・・・帰ります。」


「どうぞ。おやすみなさい。」


にっこりと、笑顔で私は結羽を見送った。