ダンナ様を妬かせる方法

「独占欲の塊?」

「そうだよ。香奈がオレ以外の男と親しくする姿、例え仕事でも妬ける」

顔が少しずつ近付いてきて、キス寸前まできた。

「ここ、会社だよ?」

さすがにマズイ気がして、祐一の体を軽く押し返す。

だけど、そんなわたしの腕は、見事に掴まれてしまったのだった。

「会社だろうが、関係ない。香奈はオレだけのものだから」

「うん……」

ドキドキが止まらない。

ヤキモチを妬かせたい、なんてあれこれ考えてたけど、祐一のツボはごくシンプルなものだった。

今まで気が付かなかったってことは、他の男の人に見向きもしなかったってことだ。

「オレにヤキモチ妬かせるなよ」

そう言って祐一は、唇を重ねた。

舌を絡め合うキスに、胸の高鳴りは大きくなる。

強引なまでに、感情を表す祐一を目の前にして思っちゃった。

たまには、ヤキモチを妬いて欲しいって。

そしてまたこうやって、強引に感情を出してよ。

そしてまた、わたしをどこまでもドキドキさせて。

夫婦なんだから、いいでしょ?

たまには、そんな駆け引きも……。