ダンナ様を妬かせる方法

「そんな急ぎの仕事なんてあったか?」

「あるよ。いろいろ忙しいんだから」

「オレの目をそらしてまで?」

「えっ?あ、あれは……」

仕事の頑張りを認めて欲しいだけなのに、どうも雰囲気が悪い。

「ほら、坂下さんたちも、祐一に仕事の相談をするでしょ?だから、わたしも課長を頼って頑張ろうと思って。今、仕事のやる気マンマンなのよ」

「あっそう」

冷たい返事……。

この熱意、きっと分かってくれるだろうと思ってたのに、その後も祐一は不機嫌な顔を崩さなかったのだった。