「今日から練習ですからね」
「………はい?」
ニコニコ顔の彼の言葉の意味が理解出来ず、嘘でしょの意味も込めて再度尋ねるけど。
「文化祭までほぼ毎日です」
「………」
私のビールが遠ざかっていく。
折角、資料も作り終えそうだったのに。
ガクっと肩を落とすと、私は力なく頷いた。
「安西先生は何か演奏とか出来ないんですか?」
「……昔ピアノを少々。と言っても今は全然弾いてないし」
「ほう」
顎に手をあてると、山本先生の目がキラリと光った気がした。
完璧口が滑った。
いや、どうせ何かやらなきゃならないのなら少しでも弾けるモノの方がいいけど。
いいけどさ!
いいんだけどさ!



