「二人の時だけでいいから」

「……わかった」

「まじで!」

「そうしたら学校では敬語なんでしょ?」


目をキラキラとさせて、うんうんと何度も頷く彼に思わずふふっと笑みが零れた。


「……酔っ払ったらなんか、小動物だね」


見た目は普通に肉食系なのに。
身長もある方だし、スーツとかピシッと身に纏ってたらIT企業とかに勤めてると言われても疑わない。


普通にモテそう。


そう思ってると、くいっと腕を引かれた。
私の視点は反転して、背中にはベッドの感触。


視界には見下ろす彼の顔。
逆光でうまく表情が見えない。



「そう?ずっと真央梨っていう獲物を狙ってる狼だけど?」




低くて、ピリピリと痺れる様な言い方。
それにドキンっと心臓が大きく跳ねた。