「安西センセも座ろうよ。ほらほら」
「え?あ、はい」
手招きされて、私は彼の横にちょこんと座ると缶ビールを手に持つ。
お互いプルタブを開けると、構えた。
「んじゃあ、俺達の出会いにカンパーイ」
「……それ、微妙です」
「そこ突っ込まない。はい、カンパーイ」
「カンパイ」
カンっと缶を軽くあてて、ぐびっと喉へと流し込んだ。
……うまい。うまい。
ゴクゴクと一気に私は半分程飲むと、ゴンっとテーブルに置く。
「飲みっぷりいいね」
「ええ、まあ」
「着替えないの?俺、一旦部屋に戻って食材置いて来るから着替えなよ」
「……わかりました」
よかった。
窮屈な格好から、早く解放されたかったし。
山本先生は自分の食材の袋を手にすると、
「んじゃ、すぐ戻るね」
と言って玄関の扉を開けた。



