「ふ~ん、ここが安西センセの部屋か」
「……あまりジロジロ見ないで下さい」
「まあ、ちょっと散らかってるな」
「すみません」
「でもいいんじゃない?
そのめっちゃ不器用な感じ、俺好き」
「……」
それ…褒められてるのか、貶されてるのかわかんないわ。
しかも、普通に好きとか言わないで貰いたい。
二人きりだっていうのに。
……変に緊張して来た。
考えない。考えない。
ビール、そうだ。
早くビール飲んでしまおう。
袋はどこだ。
そういや、不本意といえどずっと持ってて貰ってたんだ。
そのお礼言ってないや。
「あ、そういえばお酒買ってたよね?
冷蔵庫入れとかないと」
山本先生は立ち上がると、スーパーの袋を持ってキッチンに向かった。
近寄る先生に向かって声をかける。



