……って、何を考えてるんだ。


だけど、明日久住君と顔を合わせても笑顔で話さないと。
避けたりしたら絶対に傷付けてしまう。


それは先生としても、私個人としても嫌だ。


前を向いて、そう決意した。



後ちょっとだあ。
とりあえず、メイク落として、風呂入って、ビール飲んで仮眠して。


マンションが見えて来た辺りで、今日の計画をおさらいしてると、突然ふっと荷物を持っていた手が軽くなる。


驚いてそっちを向くと、そこには肩で息をする山本先生がいた。
手には私の荷物。



「はあ、っ、くっそ、まじで歩くのはええんだけど。
全速力しちゃったじゃねえかよ」



目をぱちぱちとさせて、彼を見る。
はあっと息を整えながら、山本先生は口を開いた。