「明らかに狙ってる男が身近にいるのに、何もしないとか。
取られたらどうすんの」



彼はさも、それが当然の様にいい切るけどね。
おかしいですからね?


取られる前提なのも。
彼氏欲しいと思ってないし、そもそも私好きな人いないから。


それに、久住君のは違うかもしれないし。
何かの間違いかもしれないし。


……だと、信じたい。うん。



「とにかく、お隣さんとしてもよろしくね。センセ」


ケロっとしながら、山本先生はそう言うと手をひらひらしながら廊下へと出て行く。



その姿を私は机を背にして見送ると、唖然としていた。


……ちょっと、まじで何が起こったんだ。