「あ、すみません。隣に引っ越してきた山本です。つまんない物ですが…」

「わざわざすみません。私は安西です。
って、すみません!時間なくて!ありがとうございます」



私は彼から粗品を受け取ると、鍵を慌ててしめる。

それから彼に会釈して、ダッシュで階段を駆け降りた。


いつもならエレベーターを待つけど、今日は時間がない。
走るしかない。ああ、スニーカーにすればよかった。


色々後悔しながら、私は職場まで走る。

私の職場は地元にある高校だ。



もう教師になって3年経つ。
甘酸っぱい青春を見てるのは、私も嬉しいし、楽しい。


大変な事も多いけど、それでもやりがいを感じていた。
30まで後少しだったけど、焦りはない。




教師になり彼氏なんかいなかったけど、それでも別に私の人生は充実していた。