「ちょっと元気になりました」

「そう?よかった。ならもっと飲め」

「……絡み酒は勘弁して下さいよ」



やれやれといった感じだったが、春斗のその顔はどこか嬉しそうだ。


それから、辻先生と同じペースで何杯も飲まされて春斗はギブアップ気味。
そんな春斗に情けないと漏らしつつ、焼酎を煽る辻先生。




明日も文化祭があるって事を、きっと今の二人はわかっていないだろう。




「らってね。キスとかしたら、ダメだと思うじゃないですか」

「うん、わかるよ、山本」

「わかります?」

「わかるよ、山本」

「ぜぇぇったいわかってないれすよ、辻先生」

「いや、わかるよ、山本」



呂律の回らない春斗と、自分の世界に入ってしまった辻先生。
噛みあわない会話達。



そして、夜は更けて行く。



     【おまけ*完結】


2015.1.28