「俺、いつもこんな感じだから軽いと思われて本命から外されちゃうんですよ。
だから、辻先生にそう言われて、ちょっと驚きました」
「あー…私の趣味、人間観察だからね」
「それはイイ趣味をお持ちで」
「でしょ?あ、でも安西ちゃんはちゃんと本気だと思ってたよ」
「はい、わかってます」
「本気で悩んでたよ。確実にときめいてたと思うし」
「……ですよね。どこがダメだったんでしょうかねえ」
そう独白する様に言うと、春斗は氷が溶けて薄まったサワーを飲み干す。
頬杖をつきながら、辻先生がそれに答えた。
「押しじゃないかな」
「押し、ですか」
「まあ、私は安西ちゃんじゃないし、実際のところはわかんないけど…。
知らないとこでワンコに色々されてたっぽいし」
「……」
まじかよ、って顔を見せる春斗。
あまりの衝撃に固まってしまっていた。
その顔を見ると、辻先生は笑って続けた。



