ずっと、好きでいてくれるか。
何度も思った。
だけど、他の誰かを好きになったなら。
それなら諦めようって思った。
だけど、彼は私を好きでいてくれたんだ。
「……返事は?」
既に私の涙腺は緩んでいる。
涙を堪えながら、精一杯の笑顔を作ると私は口を開いた。
「……はい。お願いします」
その言葉を聞いた瞬間に、不安そうだった彼の顔がぱあっと笑顔に変わる。
「一生、大事にします。大好きです、先生」
「……もう、先生じゃない」
「あ、そうだった。真央梨、さん」
「うん、久住君」
「俺も、下の名前で呼んで下さい」
「……航生君」
「はい、なんですか」
「ふふ」
「へへ」
やっと、私は彼を恋人と呼べるようになった。
「待たせてごめんね」
「いいえ。言ったじゃないですか。
二年なんて短いって」
「うん」
「でも……今すぐキスぐらいはさせて下さい」
「え!?」
そう言うと、彼は私の言葉も待たずに顎を掴んでくいっと上に上げると。
私の唇に自分の唇を重ねた。



