その言葉を放つと、彼の顔にハッキリと怒りの色が見えた。
さっきよりも深く皺が刻まれた眉間。
「そんな簡単に諦められるわけないじゃないですか!
俺は!安西先生が。貴方が好きなんです!
大好きで、仕方ないんですよ!!」
叫ぶように私に気持ちをぶつけてくる彼に。
「二年半」
一言、そう言った。
「え?」
訝しげな顔のまま、その言葉の意味を探ろうと私の顔を覗き込む。
そんな久住君の瞳をしっかりと捉えて、私は口を開く。
「残り、二年半。
私を好きでいられる?」
「……二年、半?」
「うん、厳密には二年五ヶ月とちょっと」
「意味が、えっと、どういう……」
「久住君が卒業するまで」
「!!」
目を真ん丸にする久住君に、私はニッコリと微笑む。
そして、ハッキリと。
「私は好きでいられるよ」
そう、告げた。



