「何回も聞いてると思うんですけど……俺、安西先生が好きです」
「……うん」
きゅっと手を握り締めながら、ぽつりぽつりと話し出す。
「俺、まだガキだし、カッコよくもないし。
先生から見たら頼りないと思います」
視線を伏せながら、彼は続ける。
「でも、誰よりも安西先生を好きだし、想ってます。
先生の気持ち、教えて貰えないですか」
くいっと顔を上げると、ふわふわの髪の毛を揺らしながら彼は真剣な顔でそう私に聞いて来た。
シンっと静まり返る校内。
「例えば、好きじゃないって言われたらどうするの?」
私は返事でなく、質問で返す。
それに久住君は少しだけ眉根を寄せた。
「……好きでいる、と思います」
「望みなかったら?」
「わかりません。諦めようと……思うかもしれません」
彼の手が私の手を強く握る。
不安そうな顔を見せる彼に更に私は追い打ちをかけるように続けた。
「そんな簡単に諦められる気持ちなの?」



