だけど、すぐに。
「真央梨」
そう声がかかって私は足を止めて振り向いた。
「何ー?」
春斗は真っ直ぐこっちに体を向けると、ある方向を指差した。
そして。
「あいつなら、あっちにいたよ」
そう言うと、ニッコリと微笑んで踵を返し歩き出す。
「……っ」
春斗。
久住君に会いに来たってわかってたんだ。
その背中に「ありがとうっ!!」と聞こえる様に大きな声で言うと、春斗は振り向かずに手を上げて返事をした。
ありがとう、春斗。
本当に春斗の気持ち、嬉しかった。
私は久住君を好きになってしまったけど、多分春斗が来なかったらそう思う事もなかったんだと思う。
きっと、その好きは憧れ。
そう、決めつけてたと思うんだ。
だから、春斗には感謝なんだ。



