……ちょっと待て。

電話するだけじゃないか。

何をこんなに緊張している。


アホですか。
私は。緊張し過ぎだ。


ええい!押すぞ!


ちょんっと指をタップして、通話を押した。
通話口からコール音がプルルっと鳴り出す。


それを聞きながら、私はドキドキしていた。



暫く待った後、プツッとコール音が切れる。


それから微かに聞こえる声。


『……もしもし』


風邪の所為で、少し掠れた声が妙に大人っぽくてドキドキとした。


「あ。…ごめん、急に。寝てた?」

『いえ。昼に寝過ぎて今眠れないとこです』

「そっか。熱あるって聞いて…心配だったから。
熱は下がった?」

『薬飲んでたら何とか下がりました。
けど、また上がりそうです』

「え!?どうして!?大丈夫!?」