そこに辻先生の携帯へと電話が鳴った。
「あ。ちょっと電話」
「…はい」
電話を持つと、辻先生は席を立つ。
私は目の前のジョッキを一つずつ、処理して行く。
…でも、二杯でたくさんです。
並々に注がれたキンキンに冷えた生ビール。
いや、飲むけど。
勿体ないし、飲むけど。
今は無理だ。
取っ手部分を持ったまま、私は俯く。
すると。
私からそのビールを誰かが奪った。
驚いて顔を上げると、私は更に目を見張った。
ゴクゴクとそのジョッキを飲み干した人物。
それは……春斗だったから。
「……はあ。うめえな、畜生。ったくお前は飲み過ぎ」
「……な、何で」
その後ろから顔をひょこっと覗かせたのは、辻先生だ。
まさか。
電話の相手って。
春斗だったわけ!?
何で?何で!?



