辻先生に促されて、私は楽譜を持つと辻先生と音楽室へ向かう。
「そうやって悩めるって…少し羨ましいよ、私は」
「え?」
並んで歩く辻先生を見ると、少しだけ眉を下げながら辻先生が続けた。
「私、悩まないからね。基本的に。
恋愛と仕事、キッパリ切り離してるから」
「……す、すみません」
それを言われてしまうと、胸が痛いです。
私情持ち込みまくりだし。
「いや、責めてない。まあ、ちょっと仕事に影響され過ぎだけどね」
「……」
「ほんっとうに不器用だよね。安西ちゃん」
「あ、はは」
「さっき、山本先生心配してたよ」
「え?」
その言葉に私は目をぱちぱちとさせた。
……春斗が、心配?私を?
「元気ないけど、何かあったんですかって」
「……」
あんな態度取ってたから、春斗の気持ちがわからなかったけど。
心配してくれてたんだ。



