午後の授業は軽く上の空で、何度も生徒から指摘され笑われてしまった。
……こんなんじゃダメだと思うも、さっきから久住君が頭から離れない。
教師になってから恋愛してなかったからな。
いい大人のクセに、情けない。
私情なんて、持ちこんだらいけないってわかってるのに。
わかってるけど、行動が伴わない。
伴ってくれない。
「……はあ」
職員室で、私はまた一つ溜め息をついた。
「安西ちゃん」
それを聞いた辻先生が、体をこちらに向けるとしかめっ面を見せる。
「何度目よ、それ」
「……何の事ですか」
「溜め息。何か、私まで負のオーラに包まれそうなんですけど」
「……すみません」
肩を落としながら、私は辻先生にそう言った。
更に辻先生の顔が歪む。
「辛気臭いっ。後で聞いたげるから!ほら、練習行くよ!」
「はい」
そう言うけど、気分は上がらない…みたいです。辻先生。



