「ええっと、ごめん。もう一度教えて貰えるかな」
「……はい、ちゃんと聞いて下さいね?」
「うん、次は大丈夫」
……多分。
さっきと同じ様に、腕を伸ばして私の手の平に自分の手の平を重ね合わせる。
「ここです、ここ」
「……うん」
触れてる箇所が、熱い。
ドキドキと心臓が鳴って、うるさい。
久住君にまで聞こえてるんじゃないかって思うほど。
少しだけ頭を下げると、久住君は顔をそっと私の耳元に近付けた。
それから。
「……先生、まさか意識してます?」
そうやってぼそっと囁いた。
それに想像以上に体が反応してしまう。
「えっ!?な、な、何を」
……どもってる。
動揺してるのバレバレだ。
何が、抑えない様にしないとだ。
全然抑える事なんて出来ないじゃないか。
ドキドキしちゃって、バカみたいにドキドキしちゃって、反応はまるで生徒と同じ。
寧ろ、それ以下。



