「では、先生。やって下さい」
久住君は至って普通だ。
何でそんな普通なんだ。
ここまで意識してる私がおかしいのか。
だって、私好きかもって思ってるんだって。
恋愛って何!?どうやってしてた!?
私、どうしてたっけ!?
「どうしたんですか?先生」
久住君はそう言うと、私の顔を覗き込む。
それがあまりにも近距離だったから、私は思いっ切り仰け反ってしまい、後ろに倒れ込みそうになった。
倒れる寸前で、久住君が支えてくれたからどうにか痛い思いはせずに済んだけど。
「せ、先生っ!?」
目を真ん丸にして驚く久住君。
……恥ずかしいです。本当に。
「大丈夫、驚かせたね。ごめんごめん」
「いや、いいんですけど…」
まだ不思議そうな顔をする久住君を、直視出来ない。
意識しまくってるって、私いくつよ!?
どんな態度取ってたっけ。
わからない。



