「きゃあっ!」
思わず大きな声を出してしまったが、それは仕方ないと思う。
だって、急にお姫様抱っこされたんだ。
「お、おろして!!」
「無理」
春斗はそのままリビングへと進み、私をベッドへと下ろす。
それから、私の体の上に跨った。
再度、体の身動きが取れない。
「真央梨」
「……やめて」
「好きだ」
「……嫌だ」
「……どうしても無理なら、俺を嫌いって言えよ」
「……」
「あんたなんか大嫌いって言えよ!」
「っ」
そう叫ぶ彼に言葉が詰まる。
その顔が、辛そうで。
今にも泣きそうで。
「……どうして、俺じゃダメなんだよ…」
静かに私の上に倒れ込むと、彼は私をぎゅうっと抱き締めた。
春斗の気持ちが、痛いぐらいに流れて来て私の胸もちくりちくりと痛む。



