「先生、俺頑張りますから」
な、何を。
とっても笑顔だから、何も言えないじゃないか。
「まあまあ、真央梨ちゃんはモテモテねえ」
そう言いながら、沢さんはサバ味噌定食をテーブルに並べる。
美味しそうな、サバ味噌が食欲そそります。
すぐにでもがっつきたい。
ですが、否定はしておかないと。
「沢さん、私はモテないですから」
「あら。そうだったの?こないだ男の人といたからてっきり」
「え」
「え」
私と久住君の声が被る。
男の人?
浮かぶのはあの男しかいない。
冷や汗がツーっと背中を伝う。
「先生、誰ですか?」
ニッコリ笑う久住君の顔。
普段は天使だけど、今日だけは悪魔だ。



