「んじゃ、そこ座ろうか」
久住君を席に促して、自分も座る。
「沢さん、私はいつものー」
「はいはい。どうぞ、お水」
「ども」
久住君はメニューを見ながら悩んでるご様子。
少しだけ顔を上げると。
「先生は何をいつも頼むんですか?」
そう尋ねて来た。
「私はサバ味噌ー!ここのサバ味噌は絶品だからね」
「じゃあ、俺もそれで」
「え。いいの?他にもたくさん和食あるのに」
「いいです、一緒で…いや、一緒がいいです」
「あ、え。あら、そうですか。
沢さん、えっと。いつもの二つ」
沢さんは笑いながら頷くと厨房へと入って行った。
「何か意外でした」
お冷を手にしながら、ぽつりと久住君が言う。



