辻先生は店員に渡されたおしぼりで手を拭きながら、
「よしーお腹空いたー」
とタッチパネルでどの料理を頼むか悩んでいる。
私もそれを見ながら、適当に選んで行く。
それから、ジョッキとお通しが運ばれて来てお互い手に持った。
「お疲れー!」
「お疲れ様でーす!」
カチンと合わせてから、二人してゴクゴクと喉へ流し込んで行く。
辻先生は私に引けず劣らずの飲みっぷり。
ザルだから、飲んでも先に友達が潰れてしまう事が多い。
私について来てくれるのは、辻先生ぐらいなものだ。
「んで?」
「もうですか」
ドンっとビールジョッキを音を立て机に置いた辻先生は、頬杖をついてふんっと鼻で笑った。



