自分がいざ、そっち側に行った時にそうやって切り離そうとしてた。
対処しきれないって、逃げてたんだ。
私は久住君とちゃんと向き合わないといけない。
それを、この男に気付かされたのが少しだけ癪だけど。
でも、山本先生は久住君を子供扱いせずに一人の男として、あの時話してた。
“何?じゃあ、一ヶ月好きでいたら口説いていいの?
半年?一年?アホか。
他の誰かに取られたらどうすんだよ。
俺が好きになったんだよ、魅力ある女って事だ。
誰かが奪ってったって仕方ない”
私、久住君に最低な傷負わせるとこだったな。
告白を受け入れたうえで、きちんと断らないといけないんだ。
……逃げて来ちゃったよ。
今日。
あほだよ。私。
明日ちゃんと話そう。
明日逃したら土日だし。
「んで。俺の気持ちはどう想ってるの」
「はい?」
間の抜けた声を出すと、山本先生はお酒の瓶をテーブルに置きじわじわと距離を詰めて来る。
それと一緒に私は後ろに下がって行く。



