「嘘ぴょ~ん」

「は」


私は目が点。


だけどべーっと舌を出しながら、山本先生は笑い出す。
……またしてもからかわれた。


ムカつく。



「あはは、そんなむくれないで。
俺は27だよ」

「……」



それも嘘じゃないでしょうね?
私は疑いの眼差しを向けると、それがわかったのか、山本先生は苦笑した。



「今度は嘘じゃないよ」


そう言うと、財布から免許証を取り出して見せる。
……本当だ。


私の二つ上。



「真央梨は?」

「二つ下」

「ふうん。俺、年下って初めてー」

「それも嘘でしょ」


全てが信用出来なくなって来たぞ。
年下初めてとか、その容姿、そのチャラさであり得ないだろ。


私はぐいっとビールをあおる。



「本当。遊ぶだけなら年下もあるけど」

「……」



じとーっと彼を見つめる。
遊ぶだけって今言いました?



この人、最低ですよー。
最低ですよー。
顔がいいからって最低ですよー。


大事な事なので、三回言ってみました。