「あいつって。笠原さん…?」 少しの沈黙の後、女が口を開いた。 黙って何も答えない俺に、 「ねぇ、どうしてあの子ばっかに構うの?あたしが逆に聞きたいよ。あの子とあたしのどこが違うの?」 少しキレ気味に言ってくる声に、 イライラする。 「んなこと、俺にもわかんねぇよ」 「なっ…。晴のバカ!」 ーーパシン。 少し涙目になりながら、 俺の頬に一発平手打ちをした。 「あたし、帰るから」 それだけ言い残した後、 服を着た女はホテルを出て行って 俺は1人、部屋に取り残された。